湖西市新居町には、昔から、ひな祭りの季節になると「すわま」を食べる習慣があります。
湖西市新居町のローカル菓子「すわま」
昔から、新居町では3月3日の桃の節句に、あさりとわけぎのぬた、ハマグリのお吸い物、白酒、ひなあられなどと一緒に、「すわま」をお雛さまに備える習慣がありました。
最初に「すわま(すあま)」が作られたのは、鎌倉時代、京都の松寿軒がはじまりとされています。
名前の由来は、「洲浜(すはま)」といわれていて、これは波打った浜を表現した風紋のことです。
また、江戸時代には「すあま(素甘・寿甘)」が生まれ、縁起物としてお祝い事に使われました。
これが東海道をとおって新居町に伝わったのではないかと言われています。
正確に言うと、
- 「すはま」:豆粉(すはま粉やきな粉など)に砂糖と水あめを加えてつくる和菓子
- 「すあま」:上新粉に砂糖と湯を練り合わせ、蒸したもので、新居町のものに近い
「すわま」と「すあま」
スーパーなどでよく見かける、もちもちした「すあま」は、こんな感じのピンク色。
ところが、新居町の「すわま」はこんな感じの小判型。
左から
・卯月園
・まんじゅや
・いさごや
で買った「すわま」✨桃の節句に食べられる新居の郷土菓子です😊味はお店によって違うのか❓食べてみます〜😆 pic.twitter.com/R1fY4TOzjf
— 湖西ほとり💌静岡県湖西市非公式PRキャラクター (@kosai_hotori) February 24, 2020
先日、方言調査で湖西市の新居町に行った時のこと、初めて「すわま」なるものをいただきました。私が想像していた「すあま」とはまったく別物でしたが、甘辛の醤油味で本当に美味しかったです! pic.twitter.com/JIZFjeLZNT
— Joy Taniguchi (@JoyTaniguchi) February 12, 2023
「すわま」の作り方
すわまの材料は、
- 米粉
- 三温糖
- しょうゆ
- 片栗粉
とシンプルです。
材料
- 米粉 1キロ
- 熱湯 1リットル
- 片栗粉 適量
- <みつ>
三温糖 800グラム
しょうゆ 200㏄
水 300㏄
作り方
- 米粉をふるいにかけながらボウルに入れ、真ん中に穴を開けてドーナツ状にする。
- 鍋に三温糖、しょうゆ、水を入れて混ぜ合わせた後、強火で沸騰させる。
沸騰したら焦げないように火を調整しつつ、とろみが出るまで10分程度さらに煮てみつを作る。 - ②を500cc、①の穴に流し込み、蜜と米粉が混ざったところで、熱湯を2回に分けて注ぎ、耳たぶくらいのかたさになるまで練る。
- ③を約100gずつ小判型の形にして、箸で2本線を生地の表面に作る。
- ④の表面についた片栗粉をハケで落としたら、10分程度蒸して完成。※かたくなったら、焼いて食べてもOK。
「すわま」を売っているお店
現在は季節限定で、湖西市新居町の和菓子屋さんで、それぞれの店舗の味の「すわま」を楽しむことができます。
卯月園
「新居関所」の最寄りで買うなら、「卯月園」さんで。
10月から5月の期間限定で販売されています。
住所 | 湖西市新居町新居1293 |
いさごや
新居町の町なみを散策中に買うなら、「いさごや」さん。
新居関所から歩いて5分ほど南西に進んだところにある、ロゴどらのお店「いさごや」さん。 看板メニューのどら焼きが美味しかったので、紹介します。 湖西市新居町「いさごや」 建て替えた、きれいな白と木目の外観が目印。 いさ[…]
住所 | 湖西市新居町新居1494 |
まんじゅや
新居町のお祭り、「諏訪神社奉納煙火(遠州新居手筒花火)」をモチーフにした「花火野郎」も購入する予定なら、「まんじゅや」さん。
住所 | 湖西市新居町新居1529 |
おわりに
「すあま」とも「ういろう」とも、ちょっと違う、湖西市新居町のローカルお菓子「すわま」。
もちもちとした食感で、ほんのり香るしょうゆが、なつかしい味わいのお菓子です。
湖西市新居町を訪れたら、ぜひ食べてみてくださいね。
参考
生涯大学「海鳴(かいめい)学園」卒業研究 平成29年度「湖西市のおいしい食べ物」