この記事では、そんな「無駄な仕事にメスを刺す」沢渡あまねさんの『仕事ごっこ その”あたりまえ”、いまどき必要ですか?』を紹介します。
『仕事ごっこ その”あたりまえ”、いまどき必要ですか?』はどんな本なのか
『仕事ごっこ その”あたりまえ”、いまどき必要ですか?』(以下『仕事ごっこ』と呼びます)の著者沢渡あまねさんは、日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などを経て、現在は会社の代表を務められています。
業務改善・オフィスコミュニケーション改善士、という肩書きはよくわからない(インターネットで調べても沢渡さんのことしか出てこない)のですが、NTTデータの運用・改善や、複数の企業で働き方改革、組織活性などを行っているそうです。
それと、お名前から、勝手に女性の方だとばかり思っていました…すみません…。
本書の結論
この本を読んで得られること
先にお断りしておきますが、ゆーこもまだまだ若手公務員。本著を読んで、公務にはびこる無駄な習慣を実感したところで、明日から部署の仕事の方針を変えたり、全庁のやり方を変えることなんてできません。無理です。
でも、いざ自分が役職についたとき、どんな無駄があるのか、それによってどんな損失が生まれているのか、他に無駄はないか、という視点はとても大切になると思っています。特に今は、少子高齢化・人口減少・経済衰退の時代。今の上司が若かったころのように、豊かな税収があるわけではなく、お金をふんだんにかけた行政サービスを提供することはできません。また、今後男性で育休を取得する職員も増え、今よりも十分な人員配置は見込めなくなってくるでしょう。
本書を読んで、限られた人員・資金の中で、低い労力で高い成果をあげるにはどうしたらいいか、という視点が自分の中にできました。実際に役職につく前に、そういった視点から仕事を眺めることができるので、とても有意義な読書になったと思っています。
こんな悩みを持つ方にオススメ
- 職場の習慣に無駄を感じることが多くてイライラする
- はじめて公務員として働くけど、これでほんとにいいの?
- 自分が役職についたら、無駄な習慣を改善したい!
本著は、沢渡さんも「本書に記載された内容は、情報の提供のみを目的としています。したがって、本書を用いた運用は、必ずお客様自身の責任と判断によっておこなってください」と書いているように、あくまで「職場での無駄あるある」を紹介する本で、だからこうしろ、と指南する本ではありません。
本書のポイントを3つ紹介
ポイント1:これが普通だ、昔はこうしていたの弊害
「印鑑を押してないからダメ」「ファイルをメールで送るときには、パスワードを別のメールで送る」「情報共有をするためだけに、役職者が集まって会議。やっていることは資料の読み上げ」「本当に読む機会があるのかわからない膨大な資料を印刷して会議(そして資料は適宜改訂されるので、そのたびに印刷しなおす)」…
コロナウイルスが流行し、リモートワークが推奨されたときに、民間企業と比べた行政の無駄がクローズアップされました。
ポイント2:生産性の足を引っ張りあう慣習はもうやめにしませんか
FAXやメールを送ったあとに、「今送りましたけど、届いてますでしょうか」「送りましたので確認お願いします」「お忙しい中恐れ入りますがお願いします…」となんでもかんでも電話するの、もうやめにしませんか。
ポイント3:女性活躍推進、中途採用の拡大…多様な人を集めるだけはもうやめよう
公務員として働いたことがあるあなたなら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ダイバーシティ。
行政はダイバーシティが本当に好きですよね。何かと言えば「ダイバーシティ」。
そもそもダイバーシティとはなんなのか。初心に帰ってみたいと思い、インターネットで調べてみると、
ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。 もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。 企業がダイバーシティを重視する背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがある。
※出典:コトバンク
と出てきました。
確かにダイバーシティは、組織の活性化や効率化の促進に有用ですが、ただ集めて満足してしまっている自治体、多くないですか?
ゆーこは民間から転職してきたのですが、前の会社と比べて「今までの慣習や制度は変えないし、あなたの事情は知らないけれど、これがうちのルールなので、うちのルールにあわせてください!」ってことが多いなぁと思います。
固定席での固定勤務、規則で決まっているわけではないけれどなんとなく決められている服装、低スペックなパソコン…
もちろん「行政だから」「公務員だから」仕方のない部分はありますが、コロナウイルスでテレワークが推奨している側なのに、結局何も変わらない公務員…「これがうちのルールです!」が強すぎませんか??
まとめ
今回の記事では、『仕事ごっこ その”あたりまえ”、いまどき必要ですか?』をご紹介してきました。
私は日頃感じている無駄の矛先を向けるために読み始めたのですが、いろいろな「無駄」が昔話や絵本のおはなしのように描かれているので、時間つぶしの読書にも最適な1冊ではないかと思います。
今回の記事が、小さなことでも、何かあなたの人生のお役に立てましたら幸せです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。