・公務員試験の時事問題で出そうだから押さえておきたい
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
SDGsは、最近よく聞く言葉ですが、新しい考え方ではありません。人間の豊かさのために、環境・社会・経済の3つを両立させながら成長しようという考えからSDGsのSDにあたる「持続可能な開発」という言葉が広く普及したのは、1987年にブルントラント委員会(1984年国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」のこと)が発表した報告書で、もう約30年も前の話になります。
今から約30年も前から警鐘が鳴らされ、昔よりもよくなったことはたくさんあります。
世界的な乳幼児の死亡率は下がりましたし、極度な貧困状態の人の割合も減って、治療方法が見つかった病気もあります。30年前に比べれば水道や電気も普及しました。
それでも、専門家が考えたよりも地球の環境や状況は、改善よりも劣化していくスピードが速く、対策が足りないということで策定されたのが「SDGs」です。
こうして、2015年9月国連サミット(すべての国連加盟国に加えて金融、企業、市民社会など官民双方のリーダーが集まった)で、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(通称:2030アジェンダ)」の柱として、世界共通の17の目標、目標ごとの計169のターゲットが採択されました。
SDGsには「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」という理念があります。この理念のもと、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標がSDGsです。
2020年1月には、SDGs達成のための「行動の10年(Decade of Action))がスタートしました。
SDGsの17の目標(ゴール)
SDGsで、すべての国連加盟国が世界的優先課題として解決すべき目標(ゴール)は17個あります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの169のターゲット
17の目標はわかりやすいのですが、どれも漠然としていて、具体的内容に欠けますね。
そこで、17の目標それぞれに、平均10個ずつくらいターゲットが定められています。
たとえば、注目されやすい7の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の項目を見てみると、こんなものがあります。
- 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
- 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
- 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
- 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
- 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国の全ての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。
「倍増させる」という具体的な目標もあれば、「国際協力を強化し」「投資を促進する」という漠然としたものもありますね。
他の目標のターゲットについては、一般社団法人イマココラボさんのページで一番わかりやすくまとめてくれています。
具体的な232の指標
ターゲットでもまだ具体性に欠けるため、具体的な数値目標が書かれた232の指標を策定することになりました。(実際は244の指標があるのですが、重複を除くと232になっています)
指標については、外務省の以下の外務資料の資料が一番わかりやすくまとまっています。
169ターゲットの詳細である全244の指標(重複を除くと232の指標)(PDFダウンロード)
SDGsの構造
この記事では、SDGsについて、できるだけ簡単にわかりやすく、その歴史や内容について書いてきました。
SDGsは、
17の目標 |
169のターゲット |
232の指標 |
の3段階の構造でできている、と考えながらSDGsに関するニュースや記事を読むと、より理解が深まりやすいと思います。