この記事では村川美詠『すべての働きづらさをふきとばす!公務員女子のおしごと相談室』をご紹介します。
『すべての働きづらさをふきとばす!公務員女子のおしごと相談室』とはどんな本なのか
この本は現在(2020年9月時点)長崎県諫早市役所健康福祉部の課長として働いている村川美詠(むらかわ みえ)さんの2冊目の著書です。(1作目は『自分もまわりもうまくいく!公務員女子のおしごと帳』です)
村川さんは、1986年に市役所に入庁してから選挙管理委員会事務局、障害福祉室、職員課、男女共同参画課課長補佐、生涯学習課課長などを経て現在障害福祉課長を務められています。
諫早市といえば、職員の自主活動グループ「おこしの会」も有名ですね。
実は、「おこしの会」や市内の異業種の女性で構成された「諫早市もりあげガールズ」で地域おこしの活動をしているのがこの方なんです。
そんな方が、「働きづらさを感じながらも頑張っている公務員女子のために、もっと楽に、もっと楽しく仕事をするための考え方と仕事術」についてまとめたのがこの本です。
本書は、(いい意味で)普通の課長が、誰にでもできそうなことを教えてくれる本なので、仕事に対するモチベーションが高いときはもちろん、落ち込んでいる時にもそっと寄り添ってくれるような本ですよ。
本書の結論
この本を読んで得られること
この本は、結婚・出産・育児などを経験しながら、実際に公務員女子として働き続けている村川さんの失敗談・成功体験をもとに、職場の人間関係やワークライフバランスなどについて、まるで仲のいい女性の先輩とカフェでおしゃべりをしているかのような雰囲気で、不安になったとき、落ち込んだとき、迷っているときにヒントになることを教えてくれます。
また、村川さん以外の4人の公務員女子(役職についている方々)のインタビューも掲載されていて、「明日からちょっとだけ頑張ってみようかな」という気持ちになれる、お守りのような本です。
こんな悩みを持つ方にオススメ
- 前著『自分もまわりもうまくいく!公務員女子のおしごと帳』では物足りなかった人
- 結婚、出産、育児、介護、昇給…今まさにそのタイミングにいる人
- 同じ女性の目線から、自分にもできそうな方法を教えてほしい人
- 成長に伸び悩んでいる人、これからもっと成長したい人
など、現在公務員女子として働いていて、働きづらいと感じている20代~30代の方で、もっとラクにもっと楽しく仕事ができるようになりたい人にオススメです。
本の目次
本書の目次を一部(各章上位3項目まで)ご紹介します。
- 1章 ようこそ!公務員女子の「相談室」へ
- 一人で悩んでいるあなたへ
- お悩みのいろいろ 公務員女子の相談室へようこそ
- 誰の課題か整理する 「悩」まずに「考」えよう
(以下省略)
- 2章 公務員女子のお悩み相談 仕事編
- 正しい「背伸び」ってなぁに?
- 20代で身につけたい仕事術 仕事を選ばず、背伸びせず
- 30代で身につけたい仕事術 まわりを巻き込み、前に進む
(以下省略)
- 3章 公務員女子のお悩み相談 私生活編
- 「女」の固定観念から逃げていいんです
- どう調整するのが一番? ワークとライフのバランス
- 結婚や妊娠、どう伝えるといい? 「知らせる」5W1H
(以下省略)
- 4章 公務員女子よ、地図を広げよ
- 人生にもっとワクワクしよう
- 20~30代はチャレンジ時代!若手時代やるべきベスト10
(以下省略)
本書のポイントを3つ紹介
ポイント1:多様性を認め、勝者より笑者になる
昔は女子の仕事といえばお茶くみ・雑用、デスクでたばこは吸い放題。今は制度や仕組みが整って、男女を問わず働きやすい職場環境にはなってきています。今後は女性管理職が増え、産休や育休を若手が積極的に取得するようになり、年配の職員は介護で今までどおり働けなくなってくる。「今の働き方、仕事の仕方では職場が回らなくなります。」と村川さんはいいます。
移り変わる時代の中、どうすれば楽に仕事ができるのか。
それは、自分が目指す生き方や働き方とは異なる人を尊重して「聴く」こと、話しかけられやすいように笑顔でいることです。ひとりで抱え込んで、成果を出そうとするよりも、いろいろな考えや生き方の話に素直に耳を傾けて、みんなで一緒になって仕事に取り組むことが大切です。
ポイント2:ワークとライフのバランス、大切なのは人
ポイント1でお話したように、多様性を尊重して、笑顔でいること。簡単に言えますけど、難しいですよね。
特に若手の公務員女子は、これから待ち構える結婚・出産・育児のライフイベントに期待と不安が入り混じっているんじゃないでしょうか。
(仕事と家庭の)両立は無理、どっちも立たせようとすると、自分が倒れてしまいます
心身ともに健康で働き盛りの人、小さな子どもを抱えている人、病気の親の介護で時間がない人、自分の病気で悩む人…。それぞれにいろいろな事情があります。余裕がある人が余裕がない人のカバーをするしかありません。人生は恩送り。今、子育て中で大変な人も、いつかは必ず落ち着きます。…(省略)…その時ライフを優先せざるを得ない人を、まわりの人が応援すればいいのです。
私は子どもを保育園に預けながら復職しましたが、子どもの急な発熱や病院通いで職場に迷惑をかけることも少なくありません。課長として仕事をされている村川さんがこうやって思ってくれていることは(もちろん私の課長がそうだとは限りませんが)、少し勇気づけられますよね。
もちろん、育児休業や短時間勤務、介護休暇は「制度」で、当然の権利ではありますが、負担をかけるのは同じ職場で働く「人」です。人間ですから、当然のように休まれれば「応援したくないな」と思うのが普通ですし、「○○さんのために」とやった仕事はなんだか気持ちがいいものです。
私も自分がいつ休むことになっても同僚が困ることがないようにノウハウを共有し、仕事の見える化を心がけるようにしました。たとえばマニュアルは中堅職員が読んでも、会計年度任用職員が読んでもわかるように、基本的なところから整備するように心がけています。また、公務員は前年度の書類を参照しながら今年度事業を実施することが多いのですが、前年度の事業で失敗した点・反省点・気をつけるべきこと・検討したこと・よかった点などをこと細やかに残しておくようにしました。
ポイント3:若手はノビノビスクスク、中堅はなりたい自分になるための準備を
若手職員は、若い今だからこそ、失敗を恐れずにやってみる。ちょっと自分にはハードルが高いかなぁ~と思うことに挑戦してみることが大切です。
結婚して子どもが生まれてようやく気付いたのですが、年を重ねるごとに時間とお金を自分のために使えなくなってきています。趣味を楽しみたくても子どもの世話が優先だし、家事は山積み、ボーナスは家族旅行や子どもの教育資金に使って…。
公務員女子「若手時代」やるべきことベスト10
「行く」「見る」「会う」「読む」「話す」「書く」「学ぶ」「遊ぶ」「集う」「泣く」
公務員女子「中堅時代」やるべきことベスト10
「対話」「提案」「企画」「応援」「発信」「記録」「挑戦」「交流」「行動」「貢献」
なりたい人物像が思い浮かばない人は、なりたくない人を思い浮かべてみてください。
私だったら、無責任な人、人の悪口ばかりを言う人、頼りにならない人でしょうか。他にもどんどん出てきそうです。
女性課長として活躍されている村川さんが、その多くの経験をもとに選んだベスト10。明日から少しずつでも意識しながら取り組んだら、1年後には今より素敵な自分で居られそうです。
まとめ
今回の記事では、『すべての働きづらさをふきとばす!公務員女子のおしごと相談室』をご紹介してきました。
公務員女子のお守り的な役割として、常に側に置いておきたい一冊ではないかと思います。
今回の記事が、小さなことでも、何かあなたの人生のお役に立てましたら幸せです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。