第3回未来屋小説大賞の大賞&受賞作品のあらすじを一挙紹介!

第3回未来屋小説大賞受賞作品のあらすじ

第3回未来屋小説大賞の入賞作品と大賞作品についてあらすじや感想を紹介していきます。

・大型ショッピングセンターを中心に出店している未来屋書店で働く従業員の中から選りすぐりの読書好きが選考
・「次のベストセラー作を生み出し、広く世に紹介しよう!」と選考
・前年9月~当年9月までに出版された作品が対象
・毎年12月下旬に大賞発表

大賞:『月まで三キロ』/伊与原 新

第3回未来屋小説大賞の大賞作品は伊与原 新『月まで三キロ』でした。

ちょっと人生に行き詰ったり、悩んでいる人々がほんの少し前向きになっていく物語たちが6篇入っています。
宇宙、火山、気象…科学の話がモチーフの作品ばかりですが、文系のわたしにも読みやすい作品でした。
もし私がこの本に中学生の頃に出会っていたら、理系に進んでいたかもしれない。
そんな力のある作品です。
「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。―月まで三キロ。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性が、小学生の娘に伝えたかったこと。―エイリアンの食堂。「僕ら火山学者は、できるだけ細かく、山を刻むんです」。姑の誕生日に家を出て、ひとりで山に登った主婦。出会った研究者に触発され、ある決意をする―。―山を刻む。折れそうな心に寄り添う六つの物語。

2位:『流浪の月』 /凪良 ゆう

2020年本屋大賞受賞作。広瀬すず主演で映像化。
事実と真実は違うのです。
わたしがテレビで流れるさまざま事件も、本当の真実は違うのかもしれない。
はじめて情報に触れたとき、先入観なしで物事をとらえたいものですね。

せっかくの善意をわたしは捨てていく。
そんなものでは、わたしはかけらも救われない。
愛ではない。けれどそばにいたい。
新しい人間関係への旅立ちを描き、
実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

3位:『線は、僕を描く』/ 砥上 裕將

2020年本屋大賞第3位。ブランチBOOK大賞2019受賞作。

作品の題材は水墨画。

水墨画について知識がない私でも、読むだけで水墨画作品の情景が浮かぶような文章に夢中になって読み進めました。

とにかく透明感がすごい!作品です。

「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」
家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。第59回メフィスト賞受賞作。

4位:『罪の轍』/ 奥田 英朗

本当のことを言うと、前半は「こんな感じで600ページか…」と挫折しかけたのですが、誘導が巧みであれよあれよと言う間に読み終わりました。
やっぱり奥田さんは間違いない!
刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く――。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描く社会派ミステリの真髄。

5位:『ゆりかごに聞く』/ まさき としか

虐待死のニュースを聞くと、心がキューンとなります。
この作品には、まさにそういった母性や父性を持たない親が登場します。
悲しいけれど、すべての子供が親に愛され産まれてくるとは限らないのでしょうね。
重たいテーマでしたが、伏線がたくさんあり、楽しめました。

私はこの子を愛せるのだろうか。
ゆりかごを前に自問自答する親たちの不安、そして罪をーー誰が責めることができるのか。

誰もが母親になれるわけじゃない、母性なんて湧き出るものではない。子供は愛しいに決まっているーーだけど。
柳宝子は虐待を疑われ離婚した夫に愛娘を奪われていた。ある日、21年前に火事で死んだ父親が変死体で発見され、そこには世間を賑わす猟奇的事件の記事と娘に宛てた手紙が残されていた。「いつも見ていた」。父はなぜ一度死んだのか。猟奇事件との関係は。宝子は父の軌跡を調べるが、父の秘密はやがて家族、宝子へとつながっていく。一方、刑事の黄川田は娘をどうしても愛せず嫌悪感を抱いていた。そして猟奇事件を追うなか、元恋人の宝子と事件の繋がりを疑い始め、宝子に接触するのだが……。すべての”罪”はゆりかごだけが知っている。書き下ろしミステリ!

6位:『死にがいを求めて生きているの』/ 朝井 リョウ

朝井さんは、平成の時代に生きる若者の心情を描くのがうまいなぁと思います。
「あぁ、こんな人いたな」と当てはめながら読むのがオススメです。

誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――

「お前は、価値のある人間なの?」

朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語

植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。
二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは?
毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。
交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。

今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。

7位:『友達未遂』/ 宮西 真冬

舞台は歴史と格式ある全寮制女子高校。
どんな時代の、どんな環境の高校生もいろんな葛藤や嫉妬、孤独、プレッシャーなどに悩むものです。

「これでみんな、共犯者ね」

秘密を抱える4人の少女。
その仮面がはがれる時、
校舎で事件は起きる――。

親に捨てられ居場所を失った茜は街から離れた山奥の全寮制の女子校へ入学した。桜子、千尋、真琴の3人のルームメイトと共同生活をする中で、肖像画の破壊など不審な事件に巻き込まれる。浮かび上がる4人の深刻な問題。そして、嫉妬、憧れ、トラウマ、怒り。それらが交錯するとき、事態は思わぬ方向へ……。

8位:『イヴリン嬢は七回殺される』/ スチュアート・タートン

ミステリーやタイムリープが好きな方にはオススメの一冊。

1日を8人の人格がコロコロと入れ替わりながら殺人事件を追っていきます。

仮面舞踏会の夜、令嬢イヴリンは死んだ。
おまえが真犯人を見つけるまで、彼女は何度も殺される。

館ミステリ+タイムループ+人格転移。 驚異の超絶SF本格ミステリ、登場。

森の中に建つ屋敷〈ブラックヒース館〉。そこにはハードカースル家に招かれた多くの客が滞在し、夜に行われる仮面舞踏会まで社交に興じていた。
そんな館に、わたしはすべての記憶を失ってたどりついた。自分が誰なのか、なぜここにいるのかもわからなかった。だが、ひょんなことから意識を失ったわたしは、めざめると時間が同じ日の朝に巻き戻っており、自分の意識が別の人間に宿っていることに気づいた。とまどうわたしに、禍々しい仮面をかぶった人物がささやく――今夜、令嬢イヴリンが殺される。その謎を解き、事件を解決しないかぎり、おまえはこの日を延々とくりかえすことになる。タイムループから逃れるには真犯人を見つけるしかないと……。
悪評ふんぷんの銀行家、麻薬密売人、一族と縁の深い医師、卑劣な女たらしとその母親、怪しい動きをするメイド、そして十六年前に起きた殺人事件……不穏な空気の漂う屋敷を泳ぎまわり、客や使用人の人格を転々としながら、わたしはの謎を追う。だが、人格転移をくりかえしながら真犯人を追う人物が、わたしのほかにもいるという――

9位:『W県警の悲劇』/ 葉真中 顕

ドラマ化作品。

警察で働く女性を主人公にした連作短編ミステリーです。

帯の「どんでん返しにネタバレ絶対厳禁!」は嘘じゃありませんでした。

W県警の熊倉警部が遺体となって発見された。
彼に極秘任務を与えていた監察官の松永菜穂子は
動揺を隠せない。

県警初の女性警視昇任はあくまで通過点。
より上を目指し、この腐った組織を改革する。
その矢先の出来事だったのだ。

「極秘」部分が明るみに出ては
県警を揺るがす一大事だ。
事故として処理し事件を隠蔽できないものか。

そんな菜穂子の前に警部の娘が現われ、
父の思い出を語り始めた……。

えっ!?
えっっ!?
えっっっ!?

各話に仕掛けられた仰天の仕掛けに、
卒倒すること間違いなし!
前代未聞の警察小説、登場!

10位:『夜が暗いとはかぎらない』/ 寺地 はるな

一見幸せそうに見える人がそうでないことも、またその反対もしかり。
今日関わったあの人はどんな日常を送っているのかな、どんなことを考えているんだろう。

奇跡が起きなくても、人生は続いていくから。
『水を縫う』で話題沸騰の著者が贈る感動作!

大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったい、なぜ――? だが、その行動は、いつしか町の人たちを少しずつ変えていく。
いま最注目の著者が、さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。

 

第2回未来屋小説大賞

第4回未来屋小説大賞