グラレコを始めるならここから!【書評】久保田麻美『はじめてのグラフィックレコーディング』

最近、巷では「グラフィックレコーディング(=グラレコ)」が熱い盛り上がりを見せていますね。

今回は、そんな「グラレコ」の一番かんたんな入門書である、久保田麻美さんの『はじめてのグラフィックレコーディング』をご紹介します。

・グラレコって何?
・これからグラレコをはじめてみたい
・今まで我流でグラレコをやってきたけど、一度基礎から学んでみたい
「グラレコ」については、下記の記事で紹介していますので、気になる方は読んでみてくださいね。
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著者は久保田麻美さん

『はじめてのグラフィックレコーディング』を書かれたのは、久保田麻美さん

シオン
グラレコについてインターネットで検索したことがある方は、「くぼみさん」の方が馴染みがあるかも。
久保田さんは、大学の芸術工学部卒業後、デザインコンサルティング会社に入社。
家電や車などのUI/UXデザイン(=ユーザーにとって使い心地の良いシステム・ビジュアルをデザインすること)を手掛ける一方で、思考や対話を図や絵で視覚化するビジュアルシンキングを実践されてきました。
piyo
つまりデザインのプロってことだね!
久保田さんが実践されている「伝わる絵の描き方」や「図解のコツ」をわかりやすく解説してくれているのが、こちらのnote。
note(ノート)

💡UI/UXデザイナー、グラフィックレコーダー | 🎓ペンシルバニア大学でコンピュータサイエンスを学ぶ社会人大学院生 |…

『はじめてのグラフィックレコーディング』は、久保田さんが2018年からnoteで連載している記事をきっかけに生まれた本なのです。

『はじめてのグラフィックレコーディング』で学べること

まずは、『はじめてのグラフィックレコーディング』の目次を、抜粋してご紹介します。

  • Chapter1 ビジュアルシンキングの基本
  • Chapter2 伝わる絵の描き方
  • Chapter3 伝わる言葉の書き方
  • Chapter4 伝わる図のつくり方
  • Chapter5 伝わるデザイン
  • Chapter6 グラフィックレコーディングの実践
  • Chapter7 デジタル・グラフィックレコーディング
  • 付録 ビジュアルライブラリー

著者紹介の部分でもお話したとおり、『はじめてのグラフィックレコーディング』は久保田さんのnoteでの連載をきっかけに作られているので、noteと内容が共通している部分もあります

piyo
じゃあ、本を買わなくてもnoteを読めば、無料で勉強できるんじゃない?
というご意見もあるかも。(実際に私も読むまでは「noteでいいじゃん…」と思ってました)
シオン
noteと違って、「1から順を追って、基本的なことから順番に学んでいくことができる」ので、noteだけを読むよりより理解が深まるので、紙の本を1冊持っておくのも便利ですよ。

アイデアスケッチ・グラレコ・スケッチノート…よく似た単語の違いが理解できる

グラレコに関するサイトなどを見ていると、「グラレコ」という言葉とともによく出てくるのが「スケッチノート」と「アイデアスケッチ」「グラフィックレコーディング」と「グラフィックファシリテーション」。

シオン
皆さんは、この4つの言葉の違いを説明できますか?お恥ずかしながらわたしは、本書を読むまで知りませんでした…
簡単に言うと、
  • スケッチノートとは、文字や図・絵を組み合わせてノートをとること。個人が記録として残すもの。
  • アイデアスケッチとは、思いついたアイデアを簡単な絵にして伝えること。人とアイデアを共有するために使うもの。
  • グラレコとは、対話の内容を文字や図・絵を使ってリアルタイムで記録すること。主に組織で話題を共有したり、記録する時につかうもの。
  • グラフィックファシリテーションとは、自分もグラレコをしつつ対話に混ざりながら、参加者の発言を促す方法。

という違いなのですが、『はじめてのグラフィックレコーディング』を読むまで、全部一緒に「グラレコ」と呼んでいました。(お恥ずかしい…)

久保田さんのnoteは気になる記事を一通り読んで、グラレコに関してはある程度理解していたつもりだったので、

シオン
ネットの記事だと「自分が気になったこと」しか吸収できないけれど、紙の本だと「自分の知らないこと」「あまり興味がないこと」「基礎中の基礎」までわかって便利だな、と感じています。

イラストやデザインが苦手な人でも、描けるようになる

イラストやデザインが苦手な方の中には、

久保田さんはデザイナーとしても活躍しているデザインのプロなんだから、あんな綺麗なグラレコができるんだよ
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
『はじめてのグラフィックレコーディング』を読んで実践すれば、イラストやデザインに親しんだことがない方でもグラレコが書けるようになる方法を紹介しています。
noteの記事を引用すると、たとえば「伝わる字の書き方」。
note(ノート)

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。デザインやビジュアルシンキングをやっています。「グラレコのヒミツ」では…

たとえば「簡単な図形だけで絵を描く方法」。
note(ノート)

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。デザインやビジュアルシンキングをやっています。「グラレコのヒミツ」では…

たとえば「伝わる図を作る4つの要素」。
note(ノート)

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。「グラレコのヒミツ」では、グラフィックレコーディングの実践で気づいた学…

たとえば「誰でも1分で似顔絵が描けるコツ」。
note(ノート)

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。最近アイコンを新しくしました。「グラレコのヒミツ」では、グラフィックレ…

シオン
いかがでしょうか。「これくらいならできそうだぞ?」と思われた方も居るのでは??
もちろん、『はじめてのグラフィックレコーディング』ではnoteに掲載されていないコツなども紹介されているので、「もっと知りたい!」「もっとうまくなりたい!」という方は、ぜひ本を購入して、手元に置いておくことをオススメします。

デジタル・アナログ、両方のやり方が学べる

インターネットで「グラレコ」を検索すると、iPadなどのタブレットを用いた作品がたくさんアップロードされています。

シオン
デジタルで描いた方がインターネットなどで共有しやすいというメリットがあるので、デジタルで描いている人が多いんだと思います。
『はじめてのグラフィックレコーディング』では、デジタルでグラレコをはじめる方向けの記事、たとえば、
note(ノート)

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。 「グラレコのヒミツ」では、議論を可視化するグラフィックレコーデ…

note(ノート)

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。「グラレコのヒミツ」では、グラフィックレコーディングの実践で気づいた学…

のようなものだけでなく、模造紙やホワイトボードなど、アナログでグラレコをする際に役立つ道具や、裏移りしにくいオススメのペンなどを紹介しています。

シオン
「プロジェクターがない」「デジタルで描いたものを大画面に映し出さなければいけないほど参加者がいない」「グラレコをする時間はごく短時間」など、アナログでグラレコをする場面も多いので、アナログのハウツーはとっても役立ちます。
piyo
確かに。インターネットで探すと、デジタルでの方法はたくさん見つかるけど、アナログでの方法ってなかなか体系的に紹介されてないかも。
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今回は、15年ほどタッチペンを使ってデジタルイラストを描いている私が、グラレコに必要なiPadについて解説する記事です。 グラレコって何?というところからはじめて、今では仕事やプライベートで実際にグラレコをやっている私の、リアルな体験[…]

さいごに:グラレコをはじめるなら、手元に置いておきたい基本の1冊

いかがでしたでしょうか。

私もつい最近この本を手に入れたばかりなのですが、「早く誰かに紹介したい…!」とウズウズして、早速この記事を書いています。

  • グラレコはよくわからないけど、興味がある
  • これからグラレコをはじめたいけど、何からはじめたらいいのかわからない
  • 独学でのグラレコに限界を感じたので、教本がほしい

『はじめてのグラフィックレコーディング』は、そんな方に最適な本かなと思います。

ここまで、長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。