グラレコをするならiPad?Android?タイプ別のオススメ機種と、失敗しない買い方

今回は、15年ほどタッチペンを使ってデジタルイラストを描いている私が、グラレコに必要なiPadについて解説する記事です。

グラレコって何?というところからはじめて、今では仕事やプライベートで実際にグラレコをやっている私の、リアルな体験談をお話しします。

グラレコが気になっている
・グラレコをiPadではじめたい
・グラレコをはじめたいけれど、何が必要か知りたい

こんなお悩みがある方は、この記事を参考にしてみてくださいね。

 

グラレコのタブレットはiPadにする?Androidにする?

「グラレコをやってみたい!」という方にとって、一番高いハードルが、「タブレットは何を買うか」ではないでしょうか。

タブレットのOSは、大きくわけて3種類。

  • Appleの「iOS」
  • Googleの「Android」
  • Microsoftの「Windows」

それぞれのタブレットの特徴を表にしてみました。

OS名 特徴
iOS ・セキュリティーレベルが高い
・デザイン性に優れたおしゃれな見た目
・動作が軽く直感的な操作が可能
・別売りの専用デジタルペン「ApplePencil」を別途購入する必要がある
・ProCreate(アプリ)が使える
Android ・機種の選択肢が多く比較的安価
・機種によっては社外品のデジタルペンを別途購入する必要がある
・SDカード取り付け可能
Windows ・パソコンと同じソフト(WordやExcel等)使用可能
・micro SDカードに対応

どのタブレットを購入した場合でも、イラストアプリをダウンロードしてグラレコを楽しむことができます。

グラレコにはiPadが向いている?

グラレコは模造紙などの紙でもできますが、オンラインで共有しやすいからという理由で、タブレットを使っている人がたくさんいます。

では、グラレコをするにあたって、一番最適なタブレットは何なのか、見ていきましょう。

グラレコをしている人はiPadを使っている割合が高い
グラレコをする人を「グラフィックレコーダー」と呼ぶのですが、そのグラフィックレコーダーの多くがiPadを使っています。
理由は、
  • 以前からMacやiPadを使ってイラストを描いたり画像を加工したりしていた
  • iPhoneを使っている
  • グラレコの本やグラフィックレコーダーの多くでiPadをオススメしていた
  • Procreateアプリを使ってグラレコをしたかった

すでに他のApple製品を持っていて「使いやすいから」「操作性が似ている」「連携がしやすい」という理由からiPadを選んだ、という方が圧倒的に多い印象です。

また、くぼみさんをはじめ、グラフィックレコーダーの多くが「Procreate」というアプリを使っているため、iPadにしたという方も多いです。
なぜ、「Procreate」が人気なのか。
それは、
  • 月額利用料がかからず、買い切りであること
  • 価格が安いこと
  • 機能が豊富なのに、直感的な操作が可能で、普段「お絵かきソフト」を使用していない人でも使いやすいこと
  • グラフィックレコーダーにProcreate利用者が多く、困ったときにインターネットで検索すると対処方法がたくさんヒットする

が理由です。

シオン
ただし、iPadやiPhoneなどのApple製品でしか使えないという理由からグラレコをするためにiPadを購入する人が多いんです。

パソコンを持っているなら、ペンタブレットという選択肢はアリ?

パソコンを持っている場合は、「ペンタブレット」を購入して、パソコンと接続した上で使うのもアリです。

「ペンタブレット」というと、あまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。

簡単に言うと、「ペンの形をしたマウス」です。

たとえばこちら。

ただ、

  •  パソコンなしでは使えないため、パソコンと「ペンタブレット」両方を立ち上げる必要がある
  • 「ペンタブレット」の役割しかなく、動画閲覧などはできない
  • 価格は安いタブレットと同程度

というデメリットがあるので、「どうしてもペンタブレットを使いたい!」という方以外には、あまりオススメできません

失敗しないために購入する前に確認しておきたいポイント

画面のサイズやストレージの容量など、グラレコをするためにタブレットを購入するときに失敗しないための、確認しておきたい重要ポイントを紹介します。

Wi-Fiモデルか、セルラーモデル(LTEタイプ)か

iPadをインターネットにつなぐ方法は2つ。

「Wi-Fiモデル」と「セルラーモデル(LTEタイプ)」です。

Wi-Fiモデルの特徴

「WiFiモデル」は、インターネットに接続する際にWi-Fiを経由して接続します。

自宅や職場、カフェなどにWi-Fiルーターがあれば、追加で月々の使用料は発生しませんので、コストをおさえることができます。

また、Wi-Fi環境がない場所で、どうしてもインターネットに接続したい場合は、デザリングに対応しているスマホを持っていれば、インターネットに接続できます

セルラーモデル(LTEタイプ)の特徴

「セルラーモデル(LTEタイプ)」は、スマホと同じように携帯電話会社の通信システムを利用してインターネットに接続します。

機種代金はWi-Fi接続モデルよりも高額で、毎月利用料を携帯電話会社に支払う必要があります。

もちろん、日本国内ほぼどこでもインターネットに接続ができますし、Wi-Fi環境があるところではWi-Fiを使用することもできます。

グラレコで使うならWi-Fi接続モデルがオススメ

「Wi-Fiモデル」と「セルラーモデル(LTEタイプ)」の特徴をまとめたものがこちらです。

Wi-Fiモデル ・使う場所(自宅、職場、カフェなど)にWi-Fi環境があれば、月々の追加支出はない
・デザリングに対応しているスマホがあれば、Wi-Fi接続環境がなくても可
・機種代金が安い
セルラーモデル(LTEタイプ) ・どこでもインターネットに接続することができる
・月々の通信料が発生する

わたしの場合、

・デザリング対応のスマホを持っていること

・職場や自宅、グラレコ会場など、グラレコをすることが想定される場所にWi-Fi環境があること

・調べ物はスマホでするので、iPadを外でインターネットにつなぐ必要性がないこと

から、機種代金が安く、月々の追加支出がない「Wi-Fiモデル」にしました。

シオン
この記事を読んでいただいているほとんどの方がスマホを持っているでしょうし、Wi-Fi環境がない場所でiPadを使う想定がない方は「Wi-Fiモデル」で充分です。

画面のサイズ

グラレコ目的でタブレットを購入する際は、「画面のサイズ」確認も忘れず行いましょう。

7から8インチ

「7から8インチ」は、スマホより少し大きめ、スマホとパソコンの間といった感じで、持ち運びに便利。

携帯性に優れていますが、イラストや文字を書くグラレコには不向きです。

10インチ

10インチは、多少重量があるため、持ち運びには少し不便?と思われるかもしれませんが、グラレコ目的ならそこまで頻繁に持ち運びはしないので、もっともオススメなサイズです。

グラレコ以外にも、映画やゲーム・電子書籍なども画面が大きい分、快適に利用できます。

10インチ以上

画面が広くてグラレコをするのにも使いやすいですが、ハイスペックな製品が多く、その分価格も上がりますし、重量も増えます。

グラレコをするなら10インチ~

グラレコ目的でタブレットを買うなら、10インチあると安心です。

シオン
10インチ以上にするかは、お財布と相談して決めてくださいね

ストレージの容量

「ストレージの容量」、タブレットを購入する上で外せない基準の一つです。

「ちょっとした調べもの」であれば32GB以上あれば十分ですが、「写真や音楽を保存したい」「アプリをたくさん使いたい」場合は、64GB以上を選ぶと安心です。

ただ、容量不足になった場合でも、オンラインクラウドにデータを保存するなどの対処方法はあります。

容量 写真(1,200万画素) フルHD動画 4K動画
8GB 1,940枚 70分 9分
16GB 3,880枚 150分 19分
32GB 7,760枚 300分 39分
64GB 15,520枚 600分 78分
128GB 31,040枚 1,200分 157分
256GB 62,080枚 2,410分 314分

わたしは128GBモデルを購入しました。

4ヶ月使っていて、現在のストレージ容量は20GB

数種類のイラスト・加工関係アプリやSNSを中心にアプリをダウンロードしています。(音楽や映像のダウンロードはなし)

シオン
自分でダウンロードしたアプリだけではなく、基本的なシステムにも容量が割かれるので、グラレコ用途の場合32GBではちょっと心もとないかもしれません。

【タイプ別】グラレコに必要なiPadのスペック

ここまで、「グラフィックレコーダーに人気なのはiPad」、「失敗しないために購入前に確認しておきたいポイント」などについて書いてきました。

ここからは、実際にどのモデルのiPadを買うのがオススメなのか、タイプ別にご紹介します。

最低限必要な機能ではじめたいならiPad

最低限必要な機能でグラレコをはじめたい方には「iPad」がオススメです。

その他にも、「iPad」はこんな方にオススメです。

  • iPadでするのは「グラレコ」「インターネット閲覧」「動画サイト視聴」「電子書籍を読む」などがメイン
  • グラレコを続けるかわからないので、できるだけ安いものがいい
  • グラレコの会場は、プライベートや少人数での会議

iPadでグラレコをするには、別売りのApplePencilを購入する必要があります。

「そのままだとiPadの表面がツルツルしていて書きにくい…」という方は、紙に書いているような描き心地の保護フィルムもオススメです。

今後動画編集なども視野に入れているならiPadPro

今後iPadでいろいろなことがしたい!という方には「iPadPro」がオススメです。

その他にも、「iPadPro」はこんな方にオススメです。

  • 価格は気にしないので、後悔しないものがほしい
  • 今後グラレコだけでなく、動画編集をしたり緻密なイラストを描いたりしたい
  • プロのグラフィックレコーダーとして仕事を受注していきたい

iPadProもApplePencilは別売りですので、あわせて購入が必要です。(第1世代のApplePencilは対応していませんので注意してくださいね)

iPadと同じように「そのままだとiPadの表面がツルツルしていて書きにくい…」という方は、紙に書いているような描き心地の保護フィルムもオススメです。

iPadとiPadProの違い

シオン
タイプ別にオススメのiPadモデルを紹介してきましたが、それでもやっぱり悩みますよね。
ここでは、グラレコをする上で関係する「iPad」と「iPadPro」の違いを解説します。

表示品質と「フルラミネーションディスプレイ」

グラレコをする上で関係する「iPad」と「iPadPro」の大きな違いが、表示品質とフルラミネーションディスプレイ。

「iPadPro」は反射防止加工が施されていますが、「iPad」は光が映り込みやすく、天井の蛍光灯などを反射しがちです。

また、「iPadPro」は黒が「真っ黒」なのに比べると、「iPad」は色のメリハリが弱めで、全体的に淡い色合いです。

光の映り込みに関しては画面保護シートで緩和させることができますし、色のメリハリについては繊細なイラスト・動画を製作する方以外は気にしなくてもよい程度かと思います。

大きな違いがもうひとつ。

「iPadPro」はフルラミネーションディスプレイを搭載しているので、下の画像のように、描いた線とペンの先がほぼ密着します。

一方「iPad」はペン先を画面にしっかりくっつけた状態でも、ガラスの厚みの分だけペン先が浮いているように見えます。

シオン
わたしは今までペンタブを使っていて、このズレは当たり前に生じるものだと思っていたので違和感はありませんでしたが、気になる方は気になるポイントかと思います。またグラレコだけでなく、緻密なイラストも描きたい!という場合はiPadProの方がオススメです。

メモリの搭載容量

「iPad」は入門モデル、「iPadPro」はプロ向けモデルですので、メモリの搭載容量がもちろん違います。

なかでも映像関連は「iPad Pro」ではなめらかに編集できるムービーも、「iPad」ではカクカクとした動きになることがあります。

動画の再生時には、回線速度などに応じて自動的に解像度を調整してくれる動画配信サービスが多いので、露骨に違いを感じることはありません。

シオン
自分で動画を編集する人には、圧倒的に「iPadPro」がオススメです。

グラレコをはじめるなら、この本がオススメ

「グラレコについて、詳しく知りたい」

「何からはじめたらいいの?」

という方は、久保田麻美さんの『はじめてのグラフィックレコーディング』がオススメです。

> グラレコを始めるならここから!【書評】久保田麻美『はじめてのグラフィックレコーディング』

シオン
イラストとともにグラレコの基本から解説してくれているので、初心者でもとっつきやすい内容になっています

まとめ:価格と使い道で決めよう

「iPad」が3~4万円で手に入るのに対して、「iPadPro」は10万円。

結構な価格差です。

ここまで見てきたように、たとえばグラレコとインターネット閲覧がメインという人は、フルラミネーションではない「iPad」でも十分でしょうし、動画編集などいろいろなことがしたいという場合は「iPadPro」が向いていたりと、買う人それぞれの使い道によって考えると後悔が少ないので、ぜひ「自分がどの程度・何をしたいのか」方向性を決めてから購入してくださいね。