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支出負担行為?支出命令?負担行為兼支出命令との違いは?簡単に解説します

こんにちは。現役公務員女子のゆーこです。

「支出負担行為の起票日が違うから直して」「支出負担行為に契約書が添付されていないから、一度戻しますね」

公務員として働いている方なら一度は、新人として働いている公務員の方はなおさら、一度は会計を担当する部署から言われたことがある言葉ではないでしょうか。


1年目くん
そもそも、負担行為ってどういう意味?必要な手続きっていうのはなんとなくわかるけど…
そんな疑問を抱きながらも、日々の業務に追われる中では、なかなか調べてみる時間もないですよね。
1年目ちゃん
せっかく調べようと会計規則を開いてみたけど、難しいことが書いてあって全然理解できず、そっとファイルを閉じた…
そんな方も居るのではないでしょうか。(私はそうでした)
今回は、そんな身近だけどよくわからない「支出負担行為」「支出命令」「支出負担行為兼命令」などについて、できるだけ簡単に解説していきたいと思います。

 

支出負担行為・支出命令とはなんなのか

支出負担行為の意味

そもそも「支出負担行為」ってなんでしょうか。

わかりやすく言うと、「お金を支払う義務を負うこと」です。

「支出負担行為をおこす」とか、「支出負担行為の伝票を切る」とか、業務で当たり前のように使われている言葉ですが、もちろん法律に定義されています。

詳しく見ていきましょう。

地方自治法では次のように定められています。

(支出負担行為)
第二百三十二条の三 普通地方公共団体の支出の原因となるべき契約その他の行為(これを支出負担行為という。)は、法令又は予算の定めるところに従い、これをしなければならない。
※「地方自治法第232条の3」より引用

たとえば、

  • 物品を購入するための契約行為
  • 工事請負のための契約行為
  • 補助金の交付決定
  • 公金の振替の決定

などで「支出負担行為」の伝票を起票した経験があるかと思いますが、この「支出の原因となるべき契約その他の行為」そのもののことを本来は「支出負担行為」と呼びます。

この項にある「法令に従い」とは、「地方自治法」や「地方自治法施行令」といった契約の事務等に関する規則や、必要な書類の決まりや金額の計算方法といった財務等に関する規則、「暴力団排除条例」といった契約の相手方に問題がないかどうか決められている法律等の整合を確認することです。

「予算の定めるところに従い」とは、「支出科目は適当か」「予算の範囲内か」「金額は妥当か」などについて検討することを言います。

支出負担行為・支出命令を含む予算執行の一連の流れ

ゆーこ
それでは、実際の予算執行の流れの中で「支出負担行為」を見ていきます。
今回は、ほとんどの課で行っている「随意契約」での取引を例に見ていきましょう。
  1. 仕様書を提示し、選定した3社に見積書の提出を依頼する
  2. 見積書が提出されるので、金額を比較する
  3. 最安値の会社を選定し、契約(=支出負担行為)
  4. 会計管理者が、当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと等について確認をする。
  5. 物品の納入・検査完了(=債務の確定・代金支払い義務の発生)
  6. 請求書を受理し、市区町村長が会計管理者に支出を命令する(=支出命令)
  7. 会計管理者が債権者に支出をする

実際の業務の流れの中で見ると、少しは理解しやすいのではないでしょうか。

ちなみに、会計管理者がかかわる5~7については、「地方自治法」では次のように定められています。

(支出の方法)
第二百三十二条の四 会計管理者は、普通地方公共団体の長の政令で定めるところによる命令がなければ、支出をすることができない。
2 会計管理者は、前項の命令を受けた場合においても、当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを確認したうえでなければ、支出をすることができない。
※「地方自治法第232条の4」より引用

どうして支出負担行為の伝票を切ることが必要なのか

ゆーこ
支出負担行為をやる意味はどこにあるのでしょうか
簡単に言うと、財布の中のお金をあらかじめ支払うように分けておくため、です。
たとえば、上の業務の流れ3で、市と事業者が100万円の契約を交わしたとします。
無事に物品が納品されれば、事業者に100万円を支払わなければいけません。
この段階になって、実は予算が足りなかったことが判明したら?物品を売る資格を持たない事業者だったら?

もちろん支払うことができませんよね。

そのようなことが起こらないようにするために、契約締結の段階で「法令に沿った契約か」「予算が不足していないか」を確認するために、契約の時点で支出負担行為の伝票を切るんですね。

支出負担行為の伝票の日付


1年目ちゃん
支出負担行為っていつ行うものなのか…いつも会計部門から指摘を受けて伝票を直してます…
ゆーこ
私もそうでした!何回担当者に質問したことか…
業務の一連の流れの中で、どのときを「支出負担行為(支出の原因となるべき契約その他の行為)」のときととらえるかは、支出の内容によって異なります。
たとえば、
  • 補助金の支出は「交付決定をするとき」
  • 印刷製本費は「契約を締結するとき」
  • 委託料は「契約を締結するとき」

などがよく接する機会があるのではないでしょうか。

支出負担行為の日付は、各自治体の規則等で区分が定められていますし、よく間違えやすい部分なのでマニュアルなどにわかりやすく記載されていることがほとんどです。

ゆーこ
マニュアルは文章が膨大で何を覚えておけばいいのか迷うこともあると思いますが、「支出負担行為」の伝票の日付を間違えてしまうことを減らしたいときは、最低限そこの部分に目をとおしておくといいと思います。

支出負担行為兼支出命令とは

ここまで、支出負担行為と支出命令について解説してきました。

それでは、「支出負担行為兼支出命令」とは一体なんでしょう。

ゆーこ
私の自治体では「けんめいれい」と読んでいて、まだ右も左もわからなかったときにgoogleで「けんめいれい」と調べても「何とけん(兼)なのか」「何の命令なのか」意味が分からず、混乱した記憶があります。
「支出負担行為兼支出命令」とは、先ほどの業務の流れで3と6に分かれていた、まったく異なる二つの行為(支出負担行為と支出命令)を一緒に行う便利なものですが、支出するべき金額が5「物品の納入・検査完了(=債務の確定・代金支払い義務の発生)」のときでないと確定しないもの(たとえば光熱費や料金後納郵便に係る郵便料費)等、使用用途は限られています

これについても、各自治体の規則やマニュアル等で確認ができるので、時間のあるときに目を通してみてくださいね。

おわりに:支出負担行為の伝票が必要な仕事は早めに処理を

ここまで、「支出負担行為」「支出命令」「支出負担行為兼支出命令」のことについてまとめてみました。

ゆーこ
ここで、支出負担行為にまつわる基礎知識

年度の変わり目になると、「出納整理期間」と呼ばれる時期がやってきます。

わかりやすく言うと、「もう新年度になったけど、今月までは旧年度の支払いを認めるよ」という期間ですね。

その出納整理期間の日付で新たに前年度分の「支出負担行為」を行うことは認められていませんので、支出負担行為の伝票を切る必要がある契約等は早め早めに処理をしていきましょう。

それではここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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