神社を参拝しているとよく見かける、「延喜式」と「式内社」ということば。
なんとなく古くて、由緒正しそう…というイメージがありますよね。
今回は、延喜式と式内社について、できるだけわかりやすく簡単に解説していきたいと思います。
読み方は?
延喜式は「えんぎしき」
式内社は「しきないしゃ」
延喜式内社は「えんぎしきないしゃ」
と読みます。
延喜式とは?
延喜式の解説をする前に、その上に位置する「養老律令」について触れたいと思います。
養老律令は、養老2年(718年)に、藤原不比等 (ふじわらのふひと) たちによって、大宝律令を一部作り替える形で編さんされた法律です。
延喜式は、この養老律令の施行規則(ガイドライン)として定められました。
格と式の違いとは?
Googleで「延喜式」と検索すると、当然のように「格式」という単語が出てきますが、馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
簡単に説明すると
- 格:律令の補足や改正点(附則)
- 式:律令を行う時に必要なガイドライン(施行規則)
です。
延喜式内社とは
それでは、延喜式内社とはなんでしょうか。
50巻ある延喜式の、9巻・10巻を「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」と言います。
延喜式内社とは、その「延喜式神名帳」に載っている全国2861社の神社を指します。
そこに載っている神様の数は、なんと3132座!
延喜式には、当時の政治の仕組みが定められています。
つまり、「延喜式神名帳」に載っている=国(朝廷)が認めた重要な神社だということで、延喜式内社はとても由緒ある神社なんです。
有名な式内社としては、
- 香取神宮(千葉県香取市)
- 諏訪大社(長野県諏訪市)
- 三嶋大社(静岡県三島市)
- 富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)
- 熱田神宮(愛知県名古屋市熱田区)
- 伊勢神宮 内宮/外宮(三重県伊勢市)
- 伏見稲荷大社(京都府京都市伏見区)
- 住吉大社(大阪府大阪市住吉区)
- 出雲大社(島根県出雲市)
- 厳島神社(広島県廿日市市)
などが挙げられます。
式内社の種類
式内社は、官弊社と国弊社の2つに分類されていて、さらにそれぞれ大社と小社に分けられています。
官弊社とは、神祇官(朝廷や全国の祭祀を担当する官庁)が直接神様にお供えものをする神社。
国弊社とは、国司(地方を治めるために、中央から派遣された貴族)が、神祇官の代わりに、神様にお供えものをする神社。
です。
それぞれの神社、神様の数はこのようになっています。
官幣大社 | 官幣小社 | 国幣大社 | 国幣小社 | |
神社 | 198社 | 375社 | 155社 | 2,133社 |
神様 | 304座 | 433座 | 188座 | 2,207座 |
式内社と式外社
延喜式がつくられた当時、全国にはもっとたくさんの神社がありました。
ところが様々な理由から、延喜式には記載されない神社もあったのです。
そんな、延喜式には載っていない神社のことを、式外社と呼んで、式内社と区別しています。
静岡県の式内社
そんな式内社は、全国に2800以上。なので、もちろん静岡県にもたくさんあります。
浜名湖周辺の式内社をまとめていますので、浜名湖周辺の神社巡りに活用してみてくださいね。
どの神社も延喜式に載っている、歴史1000年以上の由緒正しい神社ですよ。
参考
『浜松市史』
『静岡県史』
『神社検定公式テキスト 神社のいろは』