そこで今回は、脱モッサリ!「公務員のデザイン大全」を読んで、予算をかけずにオシャレなチラシを作るために参考になったことをまとめてみたよ。
・自分でチラシを作ることになったけれど、パソコンにはワードなどのオフィスソフトしかない
・オシャレなチラシが作りたい
・白黒印刷でもわかりやすいチラシが作りたい
著者は佐久間智之さん
「公務員のデザイン大全」を書かれたのは、佐久間智之(@sakuma_tomoyuki)さん。埼玉県三芳町役場の職員だった方で、今は独立されて自治体広報アドバイザーなどをされています。
「三芳町」と聞くと、「あれ?どこかで聞いたことある?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
実は佐久間さん、自治体の広報担当職員の間ではかなり有名な方です。注目すべきはその経歴。
- 株式会社モリサワ(フォント業界では有名な会社)に出向
- ほぼ一人で「広報みよし」の印刷以外の写真撮影・企画・デザインや予算0円のシティプロモーション、ホームページのデザイン、AR、動画制作の全てを担当
- 「広報みよし」は2015年に『全国広報コンクール』で日本一である内閣総理大臣賞を受賞
- ハロー!プロジェクトとの斬新なコラボ企画を実施
というように、ゼネラリストが求められる公務員の中で、「この人は自治体の広報を作るために生まれたんじゃないか?!」というほど、広報を愛し、実績を作り上げた方なのです。
公務員が「伝わるチラシ」を作るための3つのポイント
いいチラシを真似てアイディアをそのまま盗む
なんと「公務員のデザイン大全」では、通知書やチラシ、ポスターなどのテンプレートが無料でダウンロードできるようになってるんです。
しかも全部Wordで開けるの!
ありがたいことこの上ないですね。
佐久間さんが提唱する10個のルールを実践する
「公務員のデザイン大全」では、佐久間さんが公務員人生で培ってきた、すぐに使えるけどホントは教えたくない、デザインのポイントが紹介されています。
- 目的を決める
- ターゲットを決める
- 優先順位をつける
- 7:3で紙面をつくる
- 写真とピクトを活用する
- 見出しの印象を工夫する
- イメージに合う色を選ぶ
- 余白>文字にする
- 無駄な装飾をしない
- UDを意識する
佐久間さんの10のルールを見て気づいたのですが、行政が作るチラシって、目的とかターゲットがあいまいなまま作られがちですよね。
たとえば、化粧品会社が口紅の広告を作るときは、絶対にそんなことはないのに…。
あと、「インターネットにアクセスできない人もいるから、あれも載せなきゃ、これも載せなきゃ」と情報を詰め込みがち。
結果、余白がなくて読みたくない・わかりづらい構成に…。
優秀なデザインに触れる
「習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。」職人の世界ではよく言われる言葉ですね。
私も「伝わるチラシを作りたい!」と思って、参考になる本はないかと、何軒かの本屋さんをまわって、美術・デザインのコーナーを見てみました。
でも、公務員が参考になるデザインの本ってなかなかないんですよね。
民間で話題になるデザインって、「大きな写真に、刺さるキャッチコピーが一文だけ」とか「何の商品の広告か一瞬分からないけれど、目を引くデザイン」だったりするんです。
これを行政で真似をするのは、無理…!
だって、ある程度は情報を載せないといけないし、間違った認識を与えたらダメですもんね…。
そんな失望の中出会ったのが、「公務員のデザイン大全」でした。
「公務員のデザイン大全」というだけあって、通知書、チラシ、SNS、広報誌、ポスターの作例がたくさん紹介されています。
優秀な公文書のデザインに触れるなら、「公務員のデザイン」大全がおすすめです。
まとめ:『公務員のデザイン大全』は広報担当じゃなくても読んでほしい!
ここまで佐久間智之さんと「公務員のデザイン大全」の素晴らしさを、たくさん語ってきてしまいました。
まとめると、「公務員のデザイン大全」は、
- 業者に頼む予算はない
- ワードでつくりたい
- 伝えたい人に伝わるデザインにしたい
という方にオススメできる公務員のためのデザインの教科書でした。
また公務員として働かれていない方も、まだチラシを作ったことがない職員の方も、読んでおくと、「前年度の担当者が作ったこのチラシ、わかりにくいなぁ」「ここをこうやって変えた方がわかりやすくなる」「もっとオシャレなデザインにしたい!」と気づきやすくなりますので、広報を担当されていない方にもぜひ読んでほしい一冊です。長時間お付き合いいただき、ありがとうございました。